胃がん の 手術。 胃がんの手術、入院期間や術後の食事、生活など注意点は?

胃がんの腹腔鏡手術−現状と今後の進歩

胃がん の 手術

アスクドクターズ監修医師 この記事の目安時間は6分です 胃がんの標準的な手術では、胃の3分の2以上の切除と、「第2群」といわれる部分までのリンパ節郭清(リンパ節の切除)を行います。 胃の周囲のリンパ節は胃に近い所から「1群」「2群」「3群」と分けられており、標準では2群まで切除します。 なお、予防的に3群まで切除しても治療効果に差はないとされています。 胃は食道側の入り口を「噴門(ふんもん)」、十二指腸側の出口を「幽門(ゆうもん)」と言いますが、胃がんの標準術式では、がんの部位に応じて、幽門側胃切除、噴門側胃切除などが選択されますが、がんが広範囲に広がっている場合には胃の全摘出が行われます。 切除後は、残った胃の断端と「十二指腸」や「空腸」という部分をつなぐ再建術を同時に行います。 ただ、早期の胃がんに対しては、病変(がんが起きている部分)のみや幽門を温存した縮小手術が行われます。 一方で膵臓や大腸などの周辺臓器にまでがんが進行していても、手術で一緒に切除することで「根治できる」と判断された場合には、拡大手術が行われることもあります。 ただし、 多臓器に転移している場合などでは、手術による根治は難しいため手術は行わず、抗がん剤による化学療法が選択される場合もあります。 手術の術式などによっても手術時間は変わってきますので、一概には言えませんが、 標準的な術式の場合、およそ開腹手術で2時間から3時間程度、腹腔鏡による手術で4時間から5時間程度かかります。 ただし、手術の前には麻酔や準備等も含めて1時間程度、手術が終わった後、麻酔を覚ましたりするため30分程度かかります。 したがって、実際に手術室にいる時間は手術時間よりも長くなると考えてください。 また、退院までには個人差がありますが、およそ2週間程度となります。 胃がんの手術を行うと、手術による直接的な合併症が起きる可能性と、胃切除によって胃の機能が失われることによる「胃切除後症候群」を起こす可能性があります。 術後合併症に関しては胃がんに限らず、他の手術でも起こる可能性はありますが、術後出血、縫合不全(縫い合わせがうまくいかず開いてしまうこと)、術後の腸閉塞、吻合部狭窄(ふんごうぶきょうさく、手術でつなげた部分がつまること)などがあります。 これらの術後合併症は術直後から術後1週間程度で見られます。 術後合併症が起きた場合、必要に応じて再手術となる場合もあります。 胃切除後症候群は胃切除に伴う胃の機能が失われることや再建によって生じる合併症を言います。 具体的にはダンピング症候群(後述)、貧血、骨代謝異常、胆石症、小胃症状などがあります。 ダンピング症候群とは、胃切除によって胃が小さくなっているため食べ物を胃に溜めておく機能が低下し、食べ物が小腸に急速に流入することで生じます。 症状としては食後すぐに腹痛や嘔吐、動悸などが見られたり、食後2時間から3時間してから、インスリンの過剰分泌によって、動悸やめまい、手指の震えなどが見られます。 治療としては食事を少量にして、回数を増やす食事療法が基本となります。 胃がんの内視鏡手術は、早期がんの方に限られますが、お腹を大きく開けるような手術も行わないため侵襲が低く、患者さんへの負担が小さいことが特徴です。 早期胃がんに対する内視鏡的治療には、「内視鏡的粘膜切除術 Endoscopic Mucosal Resection, EMR 」と「内視鏡的粘膜下層剥離術 Endoscopic Submucosal Dissection, ESD 」の2種類があります。 内視鏡的治療が可能な方は、以下のような方に限られています。 ・病変(がんによる変化が起きている部分)が2cm以下 ・胃の粘膜にとどまっているがん ・組織は分化型(進行が緩やかなもの) ・潰瘍を伴っていない EMRでは、病変の下に生理食塩水を注入して病変をまず浮き上がらせます。 その後、ループ状のワイヤーをかけて、電気を流すことでがんを焼き切ります。 一方、ESDでは内視鏡の先端から針状の電気メスを出して、がんの下の組織を少しずつはがしていくものになります。 ESDはEMRと比較して、大きな病変でも治療可能です。 内視鏡的治療の最大のメリットは開腹せずに治療ができることに尽きます。 一方、内視鏡手術では病変のみを切除するため、リンパ節転移がないという前提で治療を行っています。 過去の胃がん患者さんへの治療の経験に基づいて、「リンパ節転移が無い」という判断で治療していますが、外科的治療とは違いリンパ節の切除は行えませんので、 術後に粘膜を越えてリンパ節転移の可能性があれば、手術を追加する必要がでる場合もあります。 また、内視鏡的治療に伴う合併症として、胃に穴が開いてしまう「穿孔(せんこう)」や出血が挙げられます。 ただ、現在では、ほとんどの穿孔に対して緊急手術を行わなくても内視鏡的にクリップを用いて治療することが可能となっています。 腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴を開け、そこからカメラを挿入して観察しながら専用の器具を用いて手術を行う方法です。 まず、お腹の壁と臓器との間の空間に炭酸ガスを入れて膨らませて、視野を確保します。 おへそにカメラを入れるための穴を開け、腹腔鏡(カメラ)を挿入します。 同時に手術に用いる器具を挿入するため、5ミリから10ミリ程の小さな穴を4、5カ所開けます。 そして、腹腔鏡でお腹の中を観察しながら胃切除や周囲のリンパ節の切除を行います。 お腹を大きく開ける開腹手術と異なり、身体への侵襲が小さいため、早期回復や早期退院、術後の痛みを抑えられるなどのメリットがあります。 また、傷口も非常に小さいため目立ちにくいという特徴もあります。 一方で、 直接見ながら行う開腹手術に比べて難易度が高く、手術時間も長くなるというデメリットもあります。 胃がんの治療は基本的に入院して行われます。 入院期間は治療よっても異なりますし、術後の合併症の有無など経過によっても変わってくるため一概には言えません。 おおよその目安としては、内視鏡的治療で1週間程度、腹腔鏡手術で10日程度、開腹手術で2週間程度とされています。 また、手術による切除が困難な例では、抗がん剤による化学療法が選択されます。 この場合、初回は1週間程度入院して副作用がないかなど様子を見ながら行いますが、通院が可能であれば、それ以降は通院で行うことも可能です。 まず、 胃切除後の胃の変化として食物の貯蔵能力の低下が挙げられます。 そのため、食べ物は急速に腸へと流入し、食事量も減少します。 もう1つの大きな変化は消化吸収の低下です。 胃液の分泌が減少するため、蛋白質(たんぱく質)や脂質の吸収量が低下したり、ビタミンやカルシウム、鉄の吸収も低下してきます。 胃切除後の食事について特に制限はありませんが、基本的には消化の良いものを少量ずつ食べるようにすることが大切です。 1日の食事の回数は、朝昼晩の3食に間食を2回か3回加えて、 合計5回から6回程度を目安に少量ずつ食べるようにしましょう。 特に最初の3か月程度は消化に悪いものや油の多いものは控えて、腸への負担を減らすことも大切です。 【胃がん関連の他の記事】 胃がんについての手術や入院などをご紹介しました。 胃の痛みに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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胃がんの手術後の飲酒の可否および食べてはいけないもの

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スポンサーリンク 胃がんは、中高年の男性が罹りやすい病気の一つです。 病気をしても、会社のことが気になるのが、中高年の男性。 胃がんと告げられたショックとともに、心をかき乱すのが、スケジュールが大きく変化させられること。 手術の所要時間や入院期間、社会復帰までの期間などを把握しておきましょう。 早期がんでは、近年は、腹腔鏡を使用した手術が、主流になっています。 身体にかかる負担が少ないとされるためです。 転移を繰り返す進行性の胃がんになると、開腹手術になります。 特に、胃を全摘出する場合は、進行したがんに対する処置が必要とされます。 また、切除した胃の代用として、下から小腸を引き上げて、食道から入った食べ物を一旦貯めて、十二指腸に流れるようにする手術も、あわせて行うため、5時間前後かかるケースが、普通です。 腹腔鏡手術では、平均して1週間程度です。 開腹手術では、胃の一部を切除したケースで3週間程度、胃を全摘出したケースで4週間ほどです。 注意したいのは、退院したら、すぐに社会復帰できるわけではないということです。 職場に復帰できるのは、自宅療養が済んでからです。 スポンサーリンク 社会復帰を本格的に果たすのは術後4ヶ月くらい経ってから 自宅療養が済むと、職場に復帰できます。 勤務時間も、最初のうちは、半日にして、だんだんと定時勤務ができるようにするのが、無難です。 体力が必要な業務や体の負担になる高温多湿の場所での業務は、避けるようにしましょう。 職場の上司や同僚に、協力を仰ぐことが大切です。 また、勤務時間中に、間食として栄養を補給する必要が、しばしば生じます。 術後12週になっても、間食にパンを選ぶと、終日、胃がもたれた感じがすると言われています。 そうした状態では、食べるのが早いと、食後に気分が悪くなります。 手術の前と同じような感じに戻るのは、通常、術後4ヶ月くらいとされています。 煎茶や紅茶を飲むのも、術後3ヶ月くらいまでは、控えた方が無難です。 コーヒーは、刺激が強いので、術後、4ヶ月くらいになるまで、飲まないようにしましょう。 今回のまとめ 胃がんの手術は、腹腔鏡手術か開腹手術かによって、手術の所要時間や入院期間が異なります。 自宅療養が済んでから、社会復帰になります。 スポンサーリンク -.

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胃がん治療の有名・お勧め病院「九州・沖縄」と名医情報

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がんによる死因第1位を占める肺がんの場合、肺がんに罹る人は毎年約5万人。 胃がん患者がいかに多いかが分かります。 患者数が多いだけに死亡者数も多く、年間約5万人が胃がんで亡くなっています。 胃がんは、肺がんに次ぎ、死亡者数が多いがんです。 それだけに気になるのが、胃がんを告げられて胃を全摘出した場合の余命。 全摘出というような大きな手術を受けた場合、5年生存率は低くなるのでしょうか? 早期に発見されると治療実績は良い 胃がんは、医療技術の進歩によって治療実績が確実に向上している病気です。 進行がんでも治すことができるようになってきていると言われています。 がんの治療でよく使われる指標、5年生存率を見てみましょう。 がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合を示す5年実測生存率は、公益財団法人がん研究振興財団の調査によると、 胃がんでは、平均して63. ステージごとに見ていくと、 ステージIで87. 平均値やステージIからステージIIIまでの5年生存率は、全種類のがんの平均と同じくらいとされています。 ステージIVになると、5年生存率が急に低くなるのが特徴です。 スポンサーリンク スキルス胃がんでは胃の全摘出が確実な治療法 胃がんの中でも悪性と言われるのが、スキルス胃がんです。 発見された時点で、すでに胃の全体にがんが広がっており、転移も多いのが特徴です。 そのスキルス胃がんの確実な治療法は、胃の全摘出です。 そのため、胃がんの手術で胃を全摘出したというと、スキルス胃がんを心配する人が少なくありません。 胃の上部にがんができたら全摘出 スキルス胃がんでは、胃の全摘出が確実な治療法とされています。 ただし、 胃の全摘出をしたらスキルス胃がんというわけではありません。 胃がんの手術は、がんが胃のどこにできたかによって切除する範囲が決まります。 下部付近にがんができた場合は、下部だけを切除して、胃の上部を残すことが可能です。 しかし、がんができたのが、胃の上部の場合は、胃の上部だけを切除して食道とつなぐということはできません。 胃の下部を残して食道と直接つないでしまうと、残った胃から出る胃酸が食道の下で逆流してしまうからです。 食道は極端に胃酸に弱いため、すぐに 重篤な逆流性食道炎を引き起こしてしまいます。 どうしても胃の下部を残したいという時には、小腸の一部を使って、食道と胃の間に小腸を入れるという方法をとることになります。 手術そのものが非常に煩雑になる割に患者にはあまりメリットが無いため、この方法は行われていません。 がんが胃の上部にできた場合は、たとえ早期のとても小さながんであっても、一般的に胃は全摘出されます。 逆に、がんが胃の下部にできた場合は、進行がんであっても、全摘出されずに済むことが少なくありません。 手術の大きさとがんの進行程度は、胃がんの場合、必ずしも一致しません。

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