先立つ 不孝 を お許し ください。 #3 『先立つ幸せをお許しください』

先立つ不幸をお許し下さい。

先立つ 不孝 を お許し ください

せっかくなので、この機会に書いてみませんか? 遺言書キットってどんなもの?費用は?内容は? たくさんの出版社や事務用品メーカーから発売されている「遺言書キット」。 立派な保管用の桐箱や高級ペンがセットになっていたり、動画つきのDVD説明マニュアルがついていたり、必要最小限のアイテムだけを厳選したものなどバリエーションも豊富です。 もちろんその内容に応じて値段も数百円から6千円超まで幅があります。 一般的な遺言書キットには、基本的に以下のようなものが必ず入っています。 遺言書の書き方マニュアル(説明書)• 遺言書用紙• 下書き用紙• 遺言書を入れる封印用封筒 遺言書用紙はコピーすると 「コピー」「複写」の文字が浮き出る特殊な紙を使用しているため偽造の心配がないものが多く、封筒も封印した後で開封すると、元に戻せない作りになっているので安心です。 通販サイトや書店で手に入る こうした遺言書キットは、Amazonや楽天、ヨドバシ. comなどの大手総合サイトなら手軽に入手できます。 書店や大きな文具店などにも様々なタイプの遺言書キットが取り揃えられています。 今まで目に入らなかっただけで、意外に近所の書店にも置いてあるかもしれません。 それに遺言書には法的な事柄だけでなく「付言事項」といって、自分が遺言書を書いた理由や家族らへのメッセージも書き込めるんですよ。 財産の多寡に関わらず、書いておくとよいと思います 遺言書キットを使う前に、遺言書の基本をおさらい ではまず手軽に遺言書が作れる遺言書キットを利用する前に、ざっと遺言書の基本をおさらいしましょう。 そもそも遺言書ってなぜ必要? 自分の死後、相続をきっかけに身内同士が反目しあう事態は、終活者にとって大きな懸念材料のひとつです。 こうした相続問題を未然に防ぐ切り札となってくれるのが遺言書。 法的に有効な遺言書さえ残しておけば、財産を巡るトラブルについては予防することができます。 遺言書を作成するメリット 遺言書を作成する利点のひとつは、遺産分割協議を経ることなく相続手続きが完了できるという点です。 もうひとつは、煩雑な手続きが軽減できることです。 遺産の名義変更には遺産分割協議が成立したことを証明する「遺産分割協議書」が必要なのですが、 これには相続人全員の署名と実印での捺印、相続人全員の印鑑証明書が添付されていなければなりません。 亡くなった人の意思がなにも示されないままで、相続人全員の同意を得るのも大変ですし、もしスムーズに協議がまとまったとしても、遺産分割協議書を作成するにはたくさんの手続きや手間がかかります。 法的に有効な遺言書があれば、トラブルの心配のある協議を行う必要もなく、 相続にまつわる数多くの手続きの手間も軽減してくれるというわけです。 遺言書キットで作成するのは「自筆証書遺言」 遺言書キットで作成する遺言書は、形式(規定)をしっかり守ることで法的にも効力を持ちます。 そして法的な効力がある遺言書には、いくつか種類があります。 遺言書とは 自分の死後、家族や知人に読んでもらうために残すメッセージ全般を「遺言」といいますが「遺言書」とは、その中でも死後の財産(遺産)の分配などについて、自分の意思を書き残す文書のことです。 通常は「ゆいごんしょ」と読みますが、法律用語では「いごん」と読み、民法で規定されている形式に沿って作成され、法的な効力があるものを指します。 遺言ができるのは、満15歳以上の人で、成年被後見人の場合は2名以上の意思立会いの下で正常な判断能力があると確認される必要があります。 遺言書の種類 遺言書の種類には、普通方式遺言と特別方式遺言があります。 普通方式遺言 文書として作成する一般的な遺言で、本人か公証人が作成したものをいいます。 普通方式遺言は、• 自筆証書遺言• 公正証書遺言• 秘密証書遺言 上記の3つです。 特別方式遺言 普通方式遺言を作成することが不可能な状態な場合に用いられる遺言です。 危急時遺言(病気やケガ、飛行機・船舶の事故に巻き込まれ命の危険が迫っている場合に書かれる)• 隔絶地遺言(伝染病で隔離されていたり、被災中、船に乗船中など交通できない隔絶地にいる場合に作る) 上記の2種類があります。 遺言書キットで作成するのは、普通方式遺言の自筆証書遺言にあたります。 作成に当たっては手数料などがかからず、証人をたてる必要もないので、最も手軽で簡易な遺言書の作成法といえるでしょう。 遺言書キットの作成は難しい?作成方法を解説! 遺言書キットを利用する際は、まずはどんな事を書くか決めて下書きから書き始めていきます。 遺言書キットを使用した遺言書の作成方法を解説します。 この説明書にしたがって、順番に書いてみましょう 遺言書キットを使った遺言書の作成方法 遺言書には遺産分割方法の指定以外にも、以下のような事項について書くことができます。 まずはどんなことを書くか決めましょう。 遺産分割方法の指定 (自宅は妻に、車は長女に、など)• 相続分の指定 (次男は病気入院中なので少し多めに相続させたい、など)• 祭祀継承者の指定 (お墓などを継ぐ人の指定)• 負担付遺贈 愛犬などを譲ると同時に世話をお願いする• 後見人、後見監督人の指定 幼い子供の後見人などの指定• 付言事項 (家族へのメッセージ)• 遺言執行者の指定 (残した遺言を実際に執行してもらう人の指定) 何度でも書き換えられますが、遺言書の文章はだれが読んでもわかりやすい簡潔で平易なものが一番ですよ 遺言書 私〇〇〇〇は、次の通り遺言する。 5.付言事項 家族が私亡きあとも仲良く暮らせるようにこの遺言書を書きました。 お互いに支えあって幸せに過ごしてください。 遺言書キットは、遺言者作成に必要な用紙や封筒などがセットになったもの• 遺言書キットは、書店や大手通販サイトなどで比較的容易に入手できる• 遺言書を作るのは、遺産相続時のトラブル回避や煩雑な手間を軽減させるため• 遺言書キットで作成できるのは「自筆証書遺言」• 遺言書には、財産の相続のほか多くのことが書き込める• 法的に有効な遺言書にするには、遵守すべきルールがある• 遺言書キットのマニュアルに従えば、簡単に法的に有効な遺言書が作成できる 遺言書キットで作る自筆遺言書は、何度でも作り直すことができます。 実際に遺言書を作ってみて「意外に気持ちがすっきりして前向きになった」などと、年に1度遺言書を書くという習慣にしている人もいるのだとか。 たくさんの財産や複雑な家族関係の場合は、専門家にお任せしたほうが無難ですが、終活の第一歩として遺言書作成キットを頼りに自分の身辺を整理してみましょう。

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「先立つ不幸」ではなく「先立つ不孝」間違えたら遺族を残念な気持ちにさせる残念な間違い

先立つ 不孝 を お許し ください

「なぁなぁ、海行こうや」 「え、こんな寒いのに?」 まぁいっか。 こんな簡単な言葉で始まった俺たちの逃避行。 10月、とても海に行くような気温じゃない日。 天気はいいし、ついでに俺の気分もいい。 センラが運転する車に乗って、俺たちは誰もいない海を目指した。 「海やーーーーーー!」 「……さっむ」 いや、いくら誰もいないからってそんな大声で叫ぶなよ。 やけにハイテンションなセンラに冷めた目線を送りつつ、俺も目の前に広がる海に高揚していた。 「なぁうらたん、海入る!?」 「さすがにやめとけ」 「これくらいなら大丈夫やろ!」 脚だけ入るつもりなのか、靴と靴下を脱いでズボンの裾をめくり始めたセンラ。 はしゃぐ彼につられたわけじゃないけど、俺も同じように脚を出す。 「ひゃ、つめてぇ」 「ははは!楽しいなぁ!」 センラがこんなに楽しそうに笑うところなんて、久しぶりに見た。 俺たちが二人で生きる道を選んでから、辛そうな顔ばかりさせていた。 何を言っても、「大丈夫です」と笑うセンラが、初めて涙を流しながら俺に縋り付いてきた昨日の夜。 『うらたん、センラ、もう無理です』 何があっても弱音なんて吐かないセンラの口から出たその言葉は、俺にとって頭を殴られるような衝撃だった。 あぁ、センラを、ここまで追い込んでしまった。 必死に、守ってきたつもりだったけど、センラは「大丈夫」なんかじゃなかった。 『うらたんとずっと一緒にいるって、なにも後ろめたいことじゃないのに。 それを許さない会社も、リスナーも、世間も、_____センラはもう、無理です』 本当はずっと知っていたんだ。 俺の知らないところで、例えば会社で、センラが俺とのことで陰口をたたかれて、自分の立場をどんどん悪くしていることを。 夜にこっそりネットで自分を叩く投稿を見ては唇をかんで耐えていることを。 それでも、「なにがあってもうらたんが味方ならいい」というセンラの言葉を鵜呑みにして、何もしなかった。 世界中からセンラを守り切れる自信なんて、もうなかった。 だから、「センラはどこに行きたい?」って訊いたんだ。 センラが行きたいところに行って、二人だけで幸せになろう、って。 「……そうや、うらたん、何か残しましょう!」 「何をだよ」 「うーーーん…あ、ほら、遺書みたいな」 死ぬ前に海に行きたいなんて、やけにロマンチックだと思う。 やろうとしてることは全然ロマンチックなんかじゃないんだけどさ。 「遺書なんて…」 「まーしぃと、坂田。 あの二人には何かあってもいいでしょう」 「だけど、紙もペンもないぞ」 これから死ぬっていうのに、何かを持つ必要はない。 二人とも、スマホさえ家において身一つで出てきたのだ。 「ここに書きませんか?」 「ここ…?消えない?」 「消えたら消えたでええよ。 こんなもん、自己満足やんか」 自分が書きたいっていったくせに、なんだよその言い草は。 ___でも、消えるならそれでもいいっていうのは賛成。 残された人間に、余計なものを背負わせる必要はないもんな。 特に志麻くんと坂田には、全部忘れて幸せに生きていってほしいから。 気休め程度に波があまり来ない場所を選んで砂浜に指で文字を書く。 「あんまり長い文はかけないな、これ」 「そうですねぇ。 ま、今までありがとうみたいなことさえ書けば大丈夫やないですか」 「書き始めは?」 「そんなん決まってるやろ。 遺書やもん。 『先立つ不孝をお許しください』や!」 妙に楽しそうなセンラは、とてもこれから死のうとしているようには見えない。 まぁ意外と、そんなもんなのかもしれない。 「…でもさ、俺たち、今までが不幸だったから死ぬんだろ。 残された方は不幸かもしれないけどさ」 「確かに…二人でこれから幸せになるんですもんね」 「じゃあ書き始めはこうじゃない?」 指で砂に書いた、少しだけ歪んだ字。 読みにくいけど、きっと誰にも読まれず波にさらわれる可能性の方が高いから、まぁいいや。 「じゃ、いこうか。 はぐれるなよ」 「はい。 うらたんこそ」 「はぐれても絶対見つけてやるよ」 「さすがぁ、かっこええなぁ」 軽口を叩きながら、手をつないで海に入っていく。 じゃあな、志麻くん、坂田。 それから家族とリスナーと……くそったれな世界。 『先立つ幸せをお許しください』.

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誤字等の館:先立つ不幸

先立つ 不孝 を お許し ください

「なぁなぁ、海行こうや」 「え、こんな寒いのに?」 まぁいっか。 こんな簡単な言葉で始まった俺たちの逃避行。 10月、とても海に行くような気温じゃない日。 天気はいいし、ついでに俺の気分もいい。 センラが運転する車に乗って、俺たちは誰もいない海を目指した。 「海やーーーーーー!」 「……さっむ」 いや、いくら誰もいないからってそんな大声で叫ぶなよ。 やけにハイテンションなセンラに冷めた目線を送りつつ、俺も目の前に広がる海に高揚していた。 「なぁうらたん、海入る!?」 「さすがにやめとけ」 「これくらいなら大丈夫やろ!」 脚だけ入るつもりなのか、靴と靴下を脱いでズボンの裾をめくり始めたセンラ。 はしゃぐ彼につられたわけじゃないけど、俺も同じように脚を出す。 「ひゃ、つめてぇ」 「ははは!楽しいなぁ!」 センラがこんなに楽しそうに笑うところなんて、久しぶりに見た。 俺たちが二人で生きる道を選んでから、辛そうな顔ばかりさせていた。 何を言っても、「大丈夫です」と笑うセンラが、初めて涙を流しながら俺に縋り付いてきた昨日の夜。 『うらたん、センラ、もう無理です』 何があっても弱音なんて吐かないセンラの口から出たその言葉は、俺にとって頭を殴られるような衝撃だった。 あぁ、センラを、ここまで追い込んでしまった。 必死に、守ってきたつもりだったけど、センラは「大丈夫」なんかじゃなかった。 『うらたんとずっと一緒にいるって、なにも後ろめたいことじゃないのに。 それを許さない会社も、リスナーも、世間も、_____センラはもう、無理です』 本当はずっと知っていたんだ。 俺の知らないところで、例えば会社で、センラが俺とのことで陰口をたたかれて、自分の立場をどんどん悪くしていることを。 夜にこっそりネットで自分を叩く投稿を見ては唇をかんで耐えていることを。 それでも、「なにがあってもうらたんが味方ならいい」というセンラの言葉を鵜呑みにして、何もしなかった。 世界中からセンラを守り切れる自信なんて、もうなかった。 だから、「センラはどこに行きたい?」って訊いたんだ。 センラが行きたいところに行って、二人だけで幸せになろう、って。 「……そうや、うらたん、何か残しましょう!」 「何をだよ」 「うーーーん…あ、ほら、遺書みたいな」 死ぬ前に海に行きたいなんて、やけにロマンチックだと思う。 やろうとしてることは全然ロマンチックなんかじゃないんだけどさ。 「遺書なんて…」 「まーしぃと、坂田。 あの二人には何かあってもいいでしょう」 「だけど、紙もペンもないぞ」 これから死ぬっていうのに、何かを持つ必要はない。 二人とも、スマホさえ家において身一つで出てきたのだ。 「ここに書きませんか?」 「ここ…?消えない?」 「消えたら消えたでええよ。 こんなもん、自己満足やんか」 自分が書きたいっていったくせに、なんだよその言い草は。 ___でも、消えるならそれでもいいっていうのは賛成。 残された人間に、余計なものを背負わせる必要はないもんな。 特に志麻くんと坂田には、全部忘れて幸せに生きていってほしいから。 気休め程度に波があまり来ない場所を選んで砂浜に指で文字を書く。 「あんまり長い文はかけないな、これ」 「そうですねぇ。 ま、今までありがとうみたいなことさえ書けば大丈夫やないですか」 「書き始めは?」 「そんなん決まってるやろ。 遺書やもん。 『先立つ不孝をお許しください』や!」 妙に楽しそうなセンラは、とてもこれから死のうとしているようには見えない。 まぁ意外と、そんなもんなのかもしれない。 「…でもさ、俺たち、今までが不幸だったから死ぬんだろ。 残された方は不幸かもしれないけどさ」 「確かに…二人でこれから幸せになるんですもんね」 「じゃあ書き始めはこうじゃない?」 指で砂に書いた、少しだけ歪んだ字。 読みにくいけど、きっと誰にも読まれず波にさらわれる可能性の方が高いから、まぁいいや。 「じゃ、いこうか。 はぐれるなよ」 「はい。 うらたんこそ」 「はぐれても絶対見つけてやるよ」 「さすがぁ、かっこええなぁ」 軽口を叩きながら、手をつないで海に入っていく。 じゃあな、志麻くん、坂田。 それから家族とリスナーと……くそったれな世界。 『先立つ幸せをお許しください』.

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